全国的に見て、公共交通機関のバスというのは「後ろから乗って目的地に着いたら前で料金を精算して降りる」のが一般的だと思う。これは乗った区間の長さで料金が変わる場合はしごく理にかなっている。しかし...
東京や大阪の都市部では運行区間内一律料金、すなわち「乗った次のバス停で降りようが、始点から終点まで乗ろうがどこからどこまで乗っても料金は同じ」という路線バスは珍しくない、というよりそっちの方が多い。この場合でも大阪は「後乗り前降りで降車時に料金支払い」である。大阪ではこれは当たり前の事であって、大阪人はこのシステムに違和感を感じないのであろう。しかし、東京では実は「前乗り後降りで料金は乗車時に支払い(つまり料金前払い)」が一般的なのである。これはバス料金が一律だからこそ可能な話ではあるが、まあどっちでもいいよな、という程度かもしれない。しかしよくよく考えてみると東京の方式の方がちょっと理にかなっていると思うのは私だけだろうか?
こんな事を考えたのも、西宮市内で、とあるバスの乗車中に「高額紙幣の両替ができない事があるので、あらかじめ小銭を用意してください」という趣旨のアナウンスが定期的に流れるからである。これは考えてみると変だ。たまたま小銭がなくて高額紙幣しか持っていない状況で一旦バスに乗ってしまったとする。そんな時にバスの中という閉じられた空間であらかじめ小銭を用意なんてできる訳がないではないか!「しまった」と思った時にそんなアナウンスを聞いてももう遅い。近くの乗客で両替できそうな人を探せってことか? これが東京のように「乗るときに払う」システムであれば全く問題がないのである。乗るときに高額紙幣しか持っていなければちゃんと気付き、あわてて両替できそうな所へ走るなりあきらめて一本やり過ごすなり「無賃乗車」にならないよう対処できるのだ。運行区間内料金一律なら前払いの方があきらかにバス会社からしてもリスクは少ないだろうに。「商売の都」大阪でねえ。
...などという事をバスの中で考えたものである。
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