お好み焼きの謎


 一般的に大阪と言わず西日本は食べ物の味が薄味だと言われている。まあそうかなという気はするし、私自身はどういう訳か東京にいる頃から薄味が好みだったので悪くない話である。その事は後で書くかもしれないが、ここで主題にしたいのは別のことである。私は大阪に来て4年以上たった。まわりの大阪人にも何度か質問してみた。しかし誰も答えを返してくれなかった。

 大阪の代表的な食べ物といえばお好み焼きであろう。本当に大阪人はお好み焼きをよく食べるなあと感心してしまう程である。あれは大阪の食べ物であって東京の食べ物ではない、という事は誰もが肯定するだろう(ここで広島焼きは除く)。しかし私はお好み焼きに対して1つだけ大きな疑問がいまだにある。冷静に考えてみよう。お好み焼きというのは、焼き上がったらどうするか?ソースをこれでもかっていうくらいべっとり塗り付け、さらにその上からマヨネーズを、これもサラダにかける時の数倍の量をかける。そして食べる。たしかに美味しいと思う。でもそこで同時に私は「あれ?」と思ったのである。そう、「薄味が好みと言われている大阪人が、何故お好み焼きについてはこれでもかっていう位ソースとマヨネーズをぶっかけて塩味をきかせまくるのだろう?だいたいお好み焼きって大阪の食べ物じゃないか!」という事である。別にこれは文句でもなんでもない。ひたすら疑問なのである。そもそも薄味というよりしょっぱいのが嫌いな関西で何故お好み焼きという食べ物が歴史的に発達したのだろうか?しかも話によれば好み焼きの起源は、あの東京のもんじゃ焼きらしい!何故あれを辛くアレンジしたのが流行ったのか?何故?どうして?
 本当にこれだけはよく分からない。そしておそらく多くの大阪人はこのパラドックスに気付いていない。私はこの疑問を持ってからというもの、何人もの大阪人にこの質問をぶつけてみた。しかしその時の相手の反応は、一瞬間を置いた後にこうである。「そう言われてみればそうですね。なんでなんでしょうかねえ?いやー、分からないですねえ。」 結局誰も納得できそうな答えは返って来なかった。ひょっとしてこれは私の大発見? 何度も書くけど美味しいのは認める。でも薄味好みの大阪人が何故それを美味しいと思うのか?原理的にはちょっと変でないかい? 誰かこの疑問に答えてくれる人はいないだろうか?



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