固体中で元々隣の原子軌道にいた電子と結合してボンドを作るような電子を価電子と呼び、固体中の数ある電子の中でもエネルギーが一番高い部類に属します。価電子は固体の性質を決める上で重要な役割を果たします。価電子状態を知る時に重要なのは時間と場所といった情報ではなく"どんなスピード(運動量)でどんなエネルギーを持って運動しているか"です。この運動量とエネルギーの関係(分散関係)、そしてどのエネルギーに単位分子あたり何個の電子が存在するかという価電子のエネルギー分布(状態密度)が電子状態を知る上で基本となります。