半導体Siや単純金属の価電子の状態は計算機でシミュレーション可能で昔から行われ、実験もされています。特に半導体の電子構造はすでにかなり精密に分かっており、現在の工業・情報社会の基盤を支えていると言えます。しかし将来の材料として期待されている高温超伝導体・超巨大磁気抵抗効果を示すMn酸化物、他には中の電子が非常に"重く"異方的超伝導や巨大熱電能を示す多彩な希土類化合物の電子状態は簡単ではないです。これは電子同士のクーロン反発による電子間相互作用が大きく働く為です。この効果を電子相関と呼びますが、対象となる電子が他の電子の動きに呼応して動きが変わる、すると他の電子にも影響が及んで・・・とややこしく解明困難です。この効果が現象のすぐ裏で糸を引いているのが前記の高温超伝導体等でこれらを強相関物質と呼びます。これらの電子状態・物理が未解明なものも数多く残されています。


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大阪大学 関山研究室